最近ネットをググっていると、こんな言葉を見つけました。
「パリ症候群」
私も初めて聞いたのですが、皆さんは聞いたことがありますか??
「ってかこのブログ、ベトナム専門っしょ?なんでわざわざパリが出てくんの?」
こう思われるかもしれませんね。でもこのパリ症候群、実はあなたにも関係あるんです!!
なんでもこの病気、日本人の発症率が極めて高いのだとか。そして海外生活を夢にるあなたにひそかに忍び寄る病気なのだとか……
日本人特有のパリ症候群
このパリ症候群(パリシンドローム)という言葉、1991年に精神科医の太田博昭先生という方が自身の出版物で使った言葉で、フランスの新聞やテレビ局BBCといった海外メディアに紹介されていったそうです。
簡単に言うと、適応障害の一つで、あこがれを抱いてパリで暮らし始めた外国人が、現地の習慣や文化などにうまく適応できず、精神的バランスを崩して。うつ病のような症状を訴える現象だということ。
なーんだ、簡単に言えばカルチャーショックってことね……って思ったんですが……
一つ興味深い点があります。それは……
その患者のほとんどが日本人であること!!しかもそのほとんどが女性だということ!!
パリ症候群に侵された人の話
ネットで説明されていた「パリ症候群」のモデル発症例をここで上げましょう
ここではそんなモデル発症患者を親しみ込めて「さくらさん」と名付けましょう(日本の花というだけで深い意味はないです)
さくらさんは比較的経済的に恵まれた家庭で育った女の子。ご両親からの愛情を受けすくすく育っていきました。
流行にはとっても敏感でブランドや流行はいつもチェック、おしゃれが大好き。そんなさくらさんの夢は、あの花の都、おしゃれの町パリに引っ越し、おもっきりおしゃれにパリジェンヌたちとパリも街を歩くこと。
あの精錬されたパリこそが自分の生きる道、大きくなるにつれパリでの生活は現実味を帯びていきました。そしてとうとう20代でその憧れは現実に!ついに渡仏をかなえることができたんです!!
でも……
さくらさんはだんだん気づきます。パリって日本ほど清潔じゃない、日本みたいに便利じゃない……おしゃれの町のイメージはだんだん崩れます。
フランス語も全然上達しません。まじめなさくらさん。学校ではいい成績を収めてきました。それなのにフランス語だけはどうもうまくいかない。ほかの外国人より頑張ってるはずなのに、文法は完璧に覚えたのに、アナウンスすら聞き取れない、相手の言うことわかんない、話したいこと出てこない……
意見をなかなか言えないさくらさんにパリの人たちは容赦ありません。さくらさん、だんだんこう思い出しました。「パリの人、私のこと差別してるんじゃないの!!」被害妄想がどんどん膨らんでいきます。そんなこと考える自分も嫌になってきます……
そんなさくらさん、言語学校で日本人の裕子さんに出会います。裕子さんもさくらさんと同じ、パリにあこがれてフランスにわたりました。やっと話せる日本語、さくらさんはやっと友達ができたとホッとします。
でも……
裕子さん、結構できる人でフランス語をなんか器用にしゃべっています。パリの友達も増えてきているように見えます。さくらさん、楽しそうな裕子さんを見てなぜかいらいら……そんな感情を持っている自分にも嫌気がさしてきました……いつしか裕子さんと距離を置くようになります
パリは汚いし、裕子はむかつくし、フランス人は差別するし……
すべていやになってきたさくらさん
ある日突然、朝から何もしたくない、頭痛い、勝手に涙が出てくる……
そんなノイローゼ状態へ……
パリ症候群の原因
実はこのパリ症候群、パリと銘打っていますが決してパリ限定ではありません。ほかの場所でも十分あり得ます。
ではパリ症候群の原因を分析しましょう
日本でのライフスタイルって結構すごいことに気づいていない
日本人以外の外国人も花の都パリへのあこがれから移住します。ではなぜ日本人だけがパリ症候群にかかるのか。それはほかの外国人はパリにも醜い部分があることを重々承知しているからです
それに対し日本は完成されつくした国。これ以上清潔でおしゃれで接客態度がいい場所はないといっても過言ではありません。ほかの場所は見た目、ルックスは絶対日本にはかないません。
そしてさくらさんはパリの魅力的な情報だけを取り入れ、外国生活の難しい天やそこに実際に住む人たちの言葉を聞かずしてフランスにわたりました。
それでフランスに渡った後「日本のほうがおしゃれじゃね?」という疑念をぬぐえなかったのです。
話さなくても生きていける、それが日本
日本って不思議ですよね。例えばコンビニで品物を取って、レジへ持っていて、表示価格のお金を手渡す。これって無言でできちゃいますよね!!
自分の意見より他の人との協調性を重んじる日本の美徳。これが海外生活ではあだになります。
海外にはいろんな人がいます。話さないと分かってはくれません。察するなんて言葉はありません。自分の意見を持っていないと置いてきぼりを食らいます。さくらさんがフランス語を話せない真の理由は、語学の問題ではなく意見がなかったという点です。
ほかの国の外国人たちは言語はツールだと考えています。文法なんか気にせず、たとえ単語の羅列であったとしても、どうにかして自分の思いを伝えようとします。そう、伝えようとする気持ちの点で日本人はハンディを負っています
理想ばかり大きくなっていた
もしもパリに行ったのがパティシエを目指す男の子だったらどうでしょうか?
パリが案外汚い、言語が難しい、それでも自分はケーキの修業をするためにここに来たんだ。渡航の目的が明確だとまた頑張れますね。
でもさくらさんにはそんな目標はありません。ただ「おしゃれなパリ生活」という理想だけ。おしゃれじゃなかったら意味がなくなってしまいますね……
もしかしたらこのような理由で女性にパリ症候群発症が多いのでしょうか。
同じ日本人との悪い比較
さくらさんは語学学校の裕子さんとの関係でも問題を抱えます。
おしゃれ大好きさくらさん、ってことは裏返せば自己顕示欲が強く負けず嫌い。裕子さんをライバルとして比較していきます。言語や海外生活の適応力を比較した結果、嫉妬心や「自分はダメだ」という気持ちに負けてしまいました。
まさに日本人特有の病気
さくらさんを分析すると、パリ症候群はまさに日本人のためにできたかのような病気であることが分かりますね……日本人はパリ症候群の予備軍であるといえるかもしれません。
では私たちはパリ症候群予備軍であるがゆえに外国での生活は絶対できないのでしょうか?
いいえ、決してそんなことはありません!!
将来の記事では、日本人であるあなたがパリ症候群を予防する上で役立つアイデアをご紹介いたします!!