中国語

不能吃と吃不了の違いは? 中国語で「食べられない」はどういうの?

中国語には「食べれない」を意味する表現がものすごくたくさんあります。この記事では、全て日本語では「食べられない」と訳すことができる 不能吃, 吃不了, 吃不下, 吃不起, 吃不到 のニュアンスの違いを考えたいと思います。可能補語を勉強しましょう!!

この前「食べられない」と言おうとして、「不能吃」っていったら「吃不了」だよって訂正されました……なんでなの??

おやおや、それでは可能補語の使い方の勉強をしましょう。可能補語をつかえば、あなたの中国語は一気に初級から上級に様変わりしますよ!!

中国語には、「~できる、~できない」と表せる形には大きく分けて二種類あります。

  1. 可能、許可の助動詞: 会,可以,能
  2. 可能補語:動詞+得(不)+副詞

中国語の初級で学ぶのは、1 の可能、許可の助動詞 「会」 「可以」 「能」。「会 (スポーツなど習得してできること)」と 「可以 (許可されてできること)」は意味が限定的なのに比べて、「能」は「可能だからできる」という意味なので、 意味の幅が広く、中国語の初級段階では「~できない」と言いたいときはすべて「不能」を使っていればなんとかなります。

しかし

「食べられない」と言いたいとき、中国人は助動詞よりも、「2」の可能補語を使ってよく表現します。それで今日は、中国語の可能補語の使い方を見ていきましょう!! 一つ一つニュアンスが違ってきますよ!!

不能吃

まずは私達がよく使う「能」です。

「食べられない」と言いたいとき、中国人はあまり「不能吃」を使いませんよね。なぜですか?

「能」 は、否定で使われるときは往々にして、「(禁止されているので)~できない」「(危険なので)~できない」というニュアンスになります。

我不能去危险的地方。危険な場所は (禁止されているので)いけません。

それで、「不能吃」は、「(禁止されているので)たべられない」「(危険なので)食べることができない」というニュアンスになります。

蘑菇mógunéngchī
毒キノコは食べられません。

duìdànguòmǐnnéngchīdàn
私は卵アレルギーなので卵を食べられません。

bàoqiànzuìjìnlechángwèiyánnéngchīxīndeshí
すみません、最近胃腸炎になりまして、辛いものが食べられません。

tīngshuōshìjièshàngde犹太教yóutàijiào伊斯兰教yīsīlánjiàodōunéngchīzhūròu
世界中のユダヤ教徒やイスラム教徒は豚肉が食べられないらしい。

このように、有毒物質やアレルギーや食事制限などで、あるいは宗教上の理由で食べるのが禁止されているので食べられないというときに使います。

なるほど、不能 は絶対に避けなければならないような状況でつかうことばだったんですね。
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吃不了

~不了 という形で、何かしらの不測の事態で動作が完了できないというニュアンスになります。

今天你来参加聚会吗?我恐怕去不了

今日集会に来ますか? 多分無理。

このように、軽い気持ちで、もしくは自分の好みの問題で「~できない」と言いたいときは、「~不了」を使います。

それで、「吃不了」もなにか軽い理由や自分の好みの問題で「食べられない」というときに使います。具体的には、1. 苦手だから食べられない。2. 量が多くて食べられない。この2つのときに使います。一般に「食べられない」と言いたいとき、「吃不了」は最も使う表現です。迷ったら「吃不了」といっておけば大丈夫なくらいです。

chībáiluóbodànshì吃不了chībuliǎoluóbo
大根は大丈夫だけど、人参は(嫌いだから)食べられない。

吃不了chībuliǎotàide
私は辛い料理は苦手です。

zhèmeduōfàn吃不了chībuliǎo
こんなにご飯が多かったら食べきれないよ。

mǎizhèmeduō东西dōngximen吃不了chībuliǎoa
こんなにたくさん買ったら食べきれないよ

吃不了chībuliǎojiùbāodàizǒubiélàngfèilezhèmehǎodeshí
食べきれないならテクアウトしよう、食べ物を粗末にしたらだめだ。

そっか、軽い気持ちで「~できない」と言いたいときは「~不了」をつかうんですね。

吃不下

~不下 で「下に行かない」というニュアンスになり、「吃不下」で食べ物が胃に下っていかない、お腹が一杯で食べられない。もうお腹に入らないというニュアンスになります。先程の「吃不了」にも、多すぎて食べられないという意味があるので、この2つはかなり似ているのですが、違いがあります。吃不了は沢山料理があるのを見て「うわ-こんなに多かったら食べられない」というようなときに使いますが、「吃不下」は、沢山料理を頂いて、もうお腹がいっぱいな状態で、「まだ食べなよ」と言われたときに「谢谢,不过我吃不下了」「もうはいりませんよ」と言いたいときに使います。

zàichī一个yīgeba吃不下chībuxiàla
もう一個食べなよ。 もう(お腹いっぱいで)食べられないよ。

zuìjìn吃不下chībuxià东西dōngxi因为yīnwèixīnqínghěnchā
気持ちが落ち着かなくって、最近ご飯が喉を通りません。

例文のように、お腹が支えて入らない、喉がつっかえて食べられない、このような気持ちがこもっているのが「吃不下」です。

吃不起

~不起 で「(お金がないから)~できない」という意味になります。それで「吃不起」で「(お金が高すぎて)食べられない」という意味になります。

寿shòuhǎoguìachī
お寿司はとっても高い、食べられないよ。

chītōngdeniúròudànchīniú
普通の牛肉だったら食べられるけど、和牛は(高すぎて)食べられない。

gāocāntīngdechúshījiùshìshànchángcàizuòchéngmenchīde样子yàngzi
高級レストランのシェフというのは僕らが(高くて)食べられないような料理を作れるんだ。

吃不到

~不到 で、何かに達することができない、入手することができないと、距離があるゆえにすることができないときに使います。それで、「吃不到」 で何かしら距離がある、例えば距離的に材料を入手するのが困難なため食べられないという意味になります。

ōuzhōujiùchīdàozhèngzōngdezhīshì
ヨーロッパに行かないと本場のチーズは(入手できないので)食べられません。

zhèngzōngdeniúròumiànzàibiéde地方dìfangchīdào
本当の牛肉麺は他の場所じゃあ食べられないよ。

妻子qīziliúzhelèidīng丈夫zhàngfudeláishuō:"zuòle桌子zhuōzihǎocàiděnghuíjiāzàichīdàole。"
妻は涙ながらに夫の遺体を見つめて言いました「わたし、御飯作ってあなたを待ってたのよ、なのに、あなたはもう(死んでしまって)食べられないのね。」

可能補語でニュアンスバラエティーに

そっか、可能補語を仕えばいろんなニュアンスを込めることができるんですね!!

そうなんです。それで少しづつ「不能」を卒業して、自分の気持のこもった可能補語を使えるようにしていきましょう。

ポイント

不能吃: 危険だったり禁止されていたりして食べられない

吃不了: 嫌いだったり量が多かったりして食べられない、最もポピュラーな表現

吃不下: お腹いっぱいでご飯がお腹に入らない

吃不起: 値段が高くて食べられない

吃不到: 調達できないので食べられない

中国語の「食べれない」を意味する表現を可能補語の観点から調べてみました。 不能吃, 吃不了, 吃不下, 吃不起, 吃不到、ぜひぜひあなたも使い分けてみてくださいね!!

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