HSP メンタルヘルス

繊細で敏感なあなたが海外生活を続ける3つの方法【HSP】

この記事では、色々気にしすぎてしまう、考えすぎてしまう、そんなお悩みを持つHSP気質を持つ海外在住のあなたが海外でうまくやっていく方法を考えてみました。

メモ

この記事は医学的な根拠などはまったくなく私独自の経験と感性をもとに書かれています。また、記事で論じるのは個人の性格についてであり、病気についてではありません。そのような見方もあるのだなくらいに読んでいただけましたら幸いです。なお、自分は価値がない、死にたい、もしくは逆に、「自分は何でもできる」というような極端な考えが頻繁に続くようなら、「うつ病」や「双極性気分障害」などの脳の病気が考えられます。そのようなときは無理せずに医療機関に相談してみましょう。

繊細はコンプレックス?

何があっても動じない、強靭なメンタルの持ち主!そんな人間に何度なりたいと思ったことか。小さなことでイライラしちゃう、くよくよ心配になる、クラクションに毎日びっくりしちゃう、そんな自分のメンタルの繊細さにさらに嫌になる……私海外に向いているのかな?

最近、繊細な気質を表した言葉、HSP(ハイパーセンシティブパーソン) という言葉がよく言われるようになりました。

私も一時期「自分は海外で生き残れるのだろうか」と真剣に考えたことがありました。そんな繊細さ、敏感さですが、実は海外でも役に立つことがあるんです。例えば、

とても繊細な山田さん。毎日海外のクラクションが鳴り響く環境でドギマギしながら暮らしています。大体週に一回ドット疲れて一人になる時間が必要。距離感が近い海外の人間関係にもまだまだなれません。「私ってメンタル弱いな」とがっかりしてしまうことも。

しかし、周りから見た山田さんはまさに無くてはならない存在です。ものすごく優秀な山田さん、耳が良いので言語をすぐに習得します。というより、感がいいので、言語が話せなくても相手が何を言っているのか表情や仕草で大体わかります。他の人に合わせられるので、人間関係の潤滑油として働いています。

この例からもわかるように、海外生活で不向きとされる繊細さや敏感さは、使いようによっては大きな利点となることがあります。それではここから、繊細で敏感な性格にあなたが海外生活を続ける上で役立つ3つの秘訣をご紹介しましょう。

1. 自分を知る

さて、先程の山田さん、成功と失敗を分けるのはなんだと思いますか?それは、

自分の特性を知っているか知っていないかです。

特性というのは、かなりの部分、生まれたときから決まっています。食器の中にも食堂で何度も使い回されるような丼茶碗と、晩餐会で使われるような繊細な食器があります。後者の繊細な食器は、壊れやすいという特性があります。だからといって価値がないわけではなく、現に丼茶碗より値段は数倍高いのではないでしょうか。そんな繊細な食器を大衆食堂で使ったらどうなりますか?一瞬で傷だらけになるでしょう。このように、道具を使う前に、その道具の特性使用方法を確認する必要がありますね。

自分との付き合いでも同じ、私達はまず自分の特性を知って、認める必要があります。

自分には敏感な疲れやすい傾向があるということを知っているならば、自分の疲れに対処して行けます。また、敏感を言い換えると「感が良い」という長所になり、その長所を用いて組織で成功を収めることができます。

しかし、もしも自分の特性を知らないなら、他の人と比べてしまいます。他の人と比べたあと、「自分はもっとタフでないと」とおもい、自分に無理を強いるようになって、結果体調を崩してしまうことでしょう。

もしもウェッジウッドのティーカップが、100均のプラスチックのコップをみて「自分は丈夫じゃない」なんて思ってたとしたら、それはそれは滑稽な話ですね。

繊細がわからない繊細

しかし、繊細な特性を持つ人の中には、それがコンプレックスなのでなかなか自分が繊細な特性を持っていることを認めにくい、もしくは周りの人に合わせすぎて自分が何なのかわからないという人がいます。わたしも昔は、自分は強い人間だと言い聞かせようとしていました。そんなあなた、次の質問に答えてみてください。

これらの言葉を見て直感的にどう思いましたか?

  • 考えすぎ
  • 気にしすぎ
  • 神経質
  • めんどくさい
  • 無理しすぎ
  • いつまでもくよくよしすぎ
  • まだ落ち込んでるの?

いかがでしょう?もしも、なんだか心がザワザワする、何故か引っかかる、なんだか自分に言われているように感じる、そう感じるあなた、もしかしたら本当は繊細なのにそれを押し殺して明るく振る舞っている頑張り屋さんなのかもしれませんよ。おそらく繊細な自分をコンプレックスと捉えて今まで必死に隠してこられたのでしょう。

たしかに、何に対しても動じない、どこででも寝られる、そのような人のほうが多くの場合、特に海外では成功しやすいです。しかし、あなたの特性をただのコンプレックスではなく、上手に引き出すなら、プレゼントになるかもしれません。ということで今回は、敏感なあなたも海外でうまくやっていく一つの方法をご紹介します。

2. リフレーミング

今回取り上げるのは「リフレーミング」という方法です。リフレーミングとはある事柄を別の角度から見ることを言います。

例えばこのコップをみてください。水の量はどうでしょうか?

  1. 半分しか水が入っていない
  2. 半分も水が入っている

このように、同じ状況をみても捉え方によって意識が全然変わってきますね。この原理をあなたの生活に応用することができます。

フィギアスケートと野球

あなたはどのように自分自身を採点しているでしょうか。私が昔聞いたたとえ話に「フィギアと野球の採点法」というのがありました。

フィギアスケートは減点方式です。最初は100点で、一度コケたら何点マイナス、技が失敗すれば何点マイナス……間違いをひかれにひかれて残ったのがフィギアの点数です。

野球はどうでしょうか。3割バッターと聞くとどうですか?ものすごい強打者のイメージがありますね。でもよく考えると10球中7球も空振り失敗しているんです。でも野球の採点法では、10球中で打つことができた3打を評価してくれます。

もちろん、野球が良いスポーツでフィギアが悪いスポーツと言っているのではありません。しかし、この採点法をあなたの自分自身の評価に応用してみませんか?

今日もあれができなかった、マイナス一点、これができなかった、マイナス2点……あなたもいままで減点方式で考えていたかもしれません。それを……

今日も海外で生活できた、一点、渋滞の中倒れずに家に帰ることができた、2点、同僚と仲良く話すことができた、3点、このように、自分のできたことを考えてみるとどうでしょうか。

長所と短所は表裏一体

「天才と狂気は紙一重」という言葉があります。長所も短所ももとは同じもの、つまり周りのみんなよりも突出している点です。その突出がうまく利用できれば長所、害になれば短所、とよばれます。

それで、あなたがコンプレックスだと思ってやまない特性も使い方によっては長所になるかもしれません。たとえば、

考えすぎ 心配しすぎ↔ 慎重

口下手↔ 聞き上手

消極的↔ 控えめ

真面目すぎる↔ 誠実

人付き合いが下手 ↔思慮深い

周りの目ばかり気にする↔ 協調性がある

断れない↔ 相手を尊重している

このように、あなたが今まで短所だと思っていた点も、長所になりうることがわかります。それで、「自分のこれらの特性を短所としてではなくどうすれば長所として使うことができるだろう」と考えることができるかもしれません。たとえば、

わたしは繊細すぎるので海外でバリバリ働くなんて向いてなかったのかも

→ 慎重さのおかげで海外での問題を避けることができている。他の人の気持ちがわかるから、違う言語や文化の人とも仲良くなれる。バリバリ働けないかわりに、危険な仕事や難しい仕事を委ねられることもない。

このように自分の特性を違った角度から見ることができるかもしれません。

盗まれたギター

とある動画投稿を仕事にされている人がアフリカで取材しているときに、大事にしていたギターが置き引きされたということがおきました。たしかにその方、最初は悔しがっていましたが、最後にこう言いました。

「あのギターを手にしたやつ、ギターをつかって世界一のミュージシャンになってくれ!」

このように、今の状況をで起きていることの他にどんなプラスの要素があるだろうか、どんな良いことがあるかもしれないか、と無理矢理にでもポジティブ思考で考えようとすることも役立ちます。たとえば、

今日仕事で叱られた
→ 自分の気づけていなかった点に気づくことができた。

ボッタクリにあった
→ きっとこの人にも可愛い子供がいるだろう。あのお金で美味しいものを食べさせてやってくれ。

嫌なことがあった
→ そのおかげで自分に足りないものが何かがわかった。

最初は難しいかもしれませんが、このように〜のおかげで とポジティブに考える癖がつくと心への負担がぐっと小さくなりますよ。

3. ダウンタイム 癒やしの時間

繊細な人の特性として、どうしても疲れやすいというものがあります。たくさんに人と出会ったり、騒音がうるさかったり、誰かの怒鳴りごえをきいたりするとすると疲れがどっとたまることでしょう。

それでおすすめしたいのが、自分一人の時間を作ることです。音楽を聞いたり、自然を散歩したり、読書をしたり、何もせずボートしたり、なんでもいいので「誰にも邪魔されず、誰にも気を使わず、自分のポースで」過ごせる時間を5分でもいいので取りましょう。この時間のことを「ダウンタイム」と呼びます。この時間のよって高ぶった神経を穏やかにさせ、気持ちの高ぶりを抑えることができます。

海外では日本以上に知らず知らずのうちにストレスがたまることがあります。それで、毎日決まった時間に自分のダウンタイムを努めて取ることを目標にしてみましょう。

繊細なあなたのトリセツ

この記事では、色々気にしすぎてしまう、考えすぎてしまう、そんなお悩みを持つ海外在住のあなたが海外でうまくやっていくために実践できる3つの点を考えました。自分の繊細な特性を認める(自分を知る)こと、物事を違った角度で見ること(リフレーミング)、そして癒やしの時間を設ける(ダウンタイム)ことでした。いかがだったでしょうか。もちろん、全てがこの3つに当てはめれば解決するわけではありません。とくに、自分は価値がない、死にたい、そのような極端な考えがずっと続くようなら、「うつ病」などの脳の病気が考えられます。そのようなときは無理せずに医療機関に相談してみましょう。

生まれつき繊細な傾向を持っているからと言って決して役に立たない人間というわけではありません。逆に捉えようによっては、協調性や誠実さと言った、大きなアドバンテージとして利用できるかもしれません。海外でもあなたの存在はとても貴重です。今日考えた点は、私達の取扱説明書です。ぜひとも、自分の特性とよく相談しながら、海外生活をうまくやっていこうじゃありませんか。

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  • この記事を書いた人

俊教授

言語、文化、アイデンティティ、未来を越えた夢の実現を願う仲間たちとともに台湾高雄で海外移住の研究を行っています。

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