統合失調症といえば「幻覚」「妄想」といった症状がまず挙げられますが、それだけではありません。 病気の経過によって症状が色々出てくるのが特徴の統合失調症、今回は陽症状と陰症状の違いや症状の特徴を取り上げたいと思います。
こちらの記事で統合失調症について調べました。 統合失調症は幻聴 妄想が特徴的です。世間でも、幻聴 妄想がでてくる怖い病気という
しかし精神科の立場からすると、治療が難しく対処が難しいと感じる症状は幻聴 妄想というではありません。これらの症状より厄介な症状が「陰性症状」です。
統合失調症には、大きく分けて二種類の症状があります。
陽性症状
幻聴 妄想がでるなど、普通の人にはない症状がプラスで出てくる。話のまとまりが無くなったり、奇妙な行動をとったりすることも含まれます。
陰性症状
感情変化が少なくなったり、意欲が落ちたり、うまく考え事ができなくなったり、家に引きこもったりと必ずしも統合失調症に特徴的ではない症状が見られます。生活に必要な力が減るという意味で、陰性症状と呼ばれます。
感情の平板化(感情鈍麻)
喜怒哀楽の表現が乏しくなり、他者の感情表現に共感することも少なくなる。
思考の貧困
会話で比喩などの抽象的な言い回しが使えなかったり、理解できなかったりする。
意欲の欠如
自発的に何かを行おうとする意欲がなくなってしまう。また、いったん始めた行動を続けるのが難しくなる。
自閉(社会的引きこもり)
自分の世界に閉じこもり、他者とのコミュニケーションをとらなくなる。
https://www.smilenavigator.jp/tougou/about/より
病気の経過と症状
典型的な統合失調症では、この陽性症状と陰性症状が組み合わさって進行してゆくことが多いです。
陽性症状の場合、明らかに周りから見ておかしいので、すぐに違いに気付けて、薬でよくなるものも多いです。
しかし陰性症状は普段との違いがわかりづらく、周りから見ても最近ちょっと元気なさそうだなぁくらいで見過ごされることが多いです。
更に陰性症状には有効な薬が殆どないので治療が難しいです。
精神科の薬は、興奮を抑える、不安を和らげる、眠くさせると行った全般的に落ち着かせる薬が多いです。
逆にやる気を出させる薬は「覚醒剤」の類になります。覚醒剤を普通に出すわけに行かないので、陰性症状を薬で治すのは難しいのです。
陰性症状でできること
陰性症状をどうすれば治せるでしょうか。習慣を作ることが助けになります。
朝起きてやる気が起きなくて、学校や仕事に行きたくないということがあると思います、しかしイザ家を出ると気づいたら普通に戻っていたということがあると思います。
同じように統合失調症の陰性症状が強い方はななにかしらの習慣をつけてあげることが大事です。そのためにデイケアと呼ばれる施設でコミュニケーション力や生活能力を身に着けたり、作業書と呼ばれるところで簡単な仕事をしたりします。
こうした施設で習慣をつけることによって、少しづつできることを増やしていきます。
習慣を持って行動を続ければ、陰性症状の進行を食い止めることができます。
なので、陰性症状を良くするのは、どちらかと言うと、精神科医と言うよりも地域のスタッフの役割が大きいです。
精神科医以外の職種を含めて、みんなでサポートしていくことが重要です。
今回は統合失調症の陰性症状の話でした。