この記事では、中国語で「にがて」という言葉をどのように訳すことができるかを考えてみたいと思います。結論から言うと、シチュエーションによって中国語のいろんな単語に使い分けることが必要です。
辞書を引いてもいまいちわからない言葉、それが日本語の「にがて」という言葉です。
不擅长
まず、日本語の「苦手」を直接翻訳したら
不擅长
という言葉になります。この「擅长」という言葉は、…に長じている,…に堪能である,…に優れている という意味になり、その否定形というわけですね。
我不擅长与人交往
人と付き合うのが苦手です
就算我们不擅长沟通,也可以鼓励别人。
たとえコミュニケーションが苦手でも、人を励ますことはできます。
しかし中国語において、日本語の「苦手」がすべて「不擅长」で訳せる訳ではありません。というのも、日本語の「苦手」という言葉には色んな意味があるからです。
- 私は料理が苦手です。(下手だ 上手でない)
- 話すのが苦手です。(それを行うのに難しさを感じる)
- 中国語の文法が苦手です。(弱点がある)
- スピーチするのが苦手です。(恐れる、緊張する)
- 苦手を克服します。(挑戦する)
- わたしは、山田さんが苦手です。(嫌いだ)
このようにざっと考えただけでも、「苦手」という言葉には、「下手」「難しさ」「弱点」「恐れる」「挑戦する」「嫌い」といった色んな意味が含まれていることがわかります。中国語ではそのそれぞれに合う言葉を選択して、別の単語でいいわけることがとても多くあります。
不好
まずは、何かをするのが下手だと言いたいときに使えるのが、
不好
です。これはとてもかんたんな表現ですね。
我做菜做不好。我做不好菜。
私は料理が苦手です。
我钢琴弹得不好。
私はピアノが苦手です。
我中文说得不好。
私は中国語が苦手です
难
できないことはないけど、何かをするのが難しいと思っていて苦手だと言いたいときですこのときは
难
という言葉を使えます。
对我来说跟人说话很难
人と話すのが苦手です。(直訳: 私にとって人と話すことはとても難しいことです)
我觉得很难向别人微笑
私は、人に笑顔を見せるのが苦手です。(直訳: わたしは他の人に対して微笑むのを難しく感じます)
弱
自分にはなにかしらの弱点があるということを伝えたいと思うときに使うのが
弱
です。
我的中文语法比较弱。
私は、中国語の文法が苦手です。(直訳: 私の中国語の文法は弱い)
你的数学有点弱
君は数学が苦手だね。(直訳: あなたの数学は少し弱い)
この表現は、例えば「中国語の勉強の中で」とか「学校の勉強の中で」とか、あるまとまりの中での弱点を指すときに使われるように感じます。
怕
何かをするのが緊張する、もしくは考えるだけで嫌な気分になる、それで苦手だ、このように言いたいときは
怕
という言葉を使いましょう。
我怕演讲。
わたしは、スピーチが苦手です。(私はスピーチがとても緊張します)
我很怕狗
私は犬が苦手です。(犬が怖い、犬がいると嫌な気分になる。)
挑战
嫌いだけど絶対に乗り越えないといけない。チャレンジしなければならないもの。そのようなものを指す時
挑战
という言葉が使われます。
我觉得发表评论是个挑战。
私はコメントをするのが苦手です。(私は、コメントするのが挑戦だと思っています)
克服挑战
苦手を克服する。
不喜欢
最後が、嫌いだという意味で使われる「苦手」です。この場合は決して「不擅长」とは言わずに、シンプルに
不喜欢
といいましょう。
我不喜欢青椒。
私はピーマンが苦手です。
我不喜欢他。
私は彼が苦手です。
ちなみに人に対して使い、「うっとうしい」「キモい」そのような意味で「苦手だ」と言いたいときは、
我讨厌他。
私は彼が苦手です(鬱陶しく思います)
このように「讨厌」という言葉を使うとネガティブな気持ちを込めることができるでしょう。
そうですね。使い分け方は、中国語の感覚が必要になってくるので、これからもたくさん聞いて、たくさん話して、中国語の語感を鍛えていくようにしましょう。