日本に帰って古い友だちに合うとどうも距離があるように感じる……この記事では、そのような一時帰国の際の日本の友達との人間関係について取り上げます。
たまにしかない日本への一時帰国。懐かしい友達に会えると日本につくまで胸がドキドキになりますね。そんな興奮もつかの間、友達は忙しくてあなたと会う時間はないと言います。他の友達に会えましたが、話が噛み合いません。なんだか自分だけ浮いているような、もしくは取り残されたかのような気持ちになってしまいます。そうこうしているうちに一時帰国の予定も終わり、また海外へ行く日が来ます。なんだかみんな変わってしまったなと寂しい思いで海外へ向かうあなた。
一時帰国のときにどうして昔の友達との間に距離ができてしまうのでしょうか?
日本には日本、海外には海外の世界がある
一時帰国の時間は限られています。限られた時間で中の良かった友達と少しでも出会いたい。私達海外生活者からすると、日本の友達のほうが時間の融通をきかせやすいだろうと考えてしまいます。
しかし、日本の友達には日本での忙しい毎日があります。あなたが急に帰国するから時間を作らといわれても、友達からするとわがままとしか聞こえないことでしょう。
また友達に出会えたとしても、話がぜんぜん噛み合わないと思います。それもそのはず、あなたと友達は日本と海外というぜんぜん違う世界を生きているのですから。
時には諦める友情もあり
残念ながら日本の友達との友情を海外に行ってからも続けることは至難の業です。ある程度交友が途絶えてしまうことは一つの現実として受け入れておくほうがいいでしょう。
ということで、私は、会う理由がないならあえて会わなくてもいいと思っています。
なにかのきっかけに出会ったなら「ひさしぶり〜〜」っと仲良く会話、会わないときは会わないときでそれはそれでいい、なんていうさっぱりした友達関係がやっぱり心地いいですね。
相手のレベルに合わせて話す
あなたが海外の話をあなたのレベルで話すならば友達はついてくることができないはずです。先程もお伝えしたとおりあなたと友達はぜんぜん違う世界で生きているからです。それで、友達と会話をするときは友達のレベルに会話を合わせてあげることが必要です。具体的にどうすることができるでしょうか?
最近どう?経験聞かせて?の対処法
最近どう?なにかいい経験あった?久しく合っていないので必ずこう聞かれると思います。ここで気をつけたいのは、こちらの感覚で外国の話をしてしまうと、相手が引いてしまうということです。
「海外の企業でこんなプロジェクトを……」
「〜語ではこんな面白い話が……」
なんて言ってみたところで周りはポッカーンとしてしまうと思います。これはあなたと友達が全く違う世界を生きているからです。
食べ物について話す
仕事の話や言語の話は一般の日本人だとついてくることはできません。それでは食べ物の話ならどうでしょうか?写真を見せながら「こんなものを食べています」と話していきます。これならみんなも「うぁーおいしそう」「えーこんなもの食べるんだ」とリアクションを取りやすいと思います。
外国と日本を比較しない
「海外だと日本と違ってあんなんで、こんなんで……」
「日本はこういうところがだめなんだ……」
海外での新しい考えに浸った私達、このように話したくなる気持ちはわかります。しかしこのような事を言っても日本の友達はいい気持ちになるわけがありません。日本を見下したかのような、もしくは外国を見下すような話題は避けましょう。
相手への感謝を随所に含める
海外で寂しく思ったときに〜さんが昔いってくれた言葉が支えになりました。
〜さんはこのようなプロジェクトを行っておられるんですね。次に海外に帰ったときにみんなにお話させていただきますね。
このように海外の話をしながら、随所に相手への感謝や褒め言葉を含めましょう。そうするなら相手は、私達の海外の話が自分にも関係があると思えます。
「ところで、きみはどう?」
先程もお伝えしたとおり、あなたと日本の友達は違う世界に生きています。話す話題がずれるのは当たり前、あなたが話せば話すほど、相手はギャップを感じます。それでは早いとこ相手に話させて、こちらがギャップを我慢しながら笑顔で耳を傾けるほうがいいように思えます。ということで、こちらから「ところで、最近どう?」と日本の最近について興味をどんどん示していったほうが円滑に会話が進むように思えます。
「〜語話してみてください」の対処
きっと共感していただけると思います。「ねえトシくん、ベトナム語話してみて!」日本に帰ると必ず聞かれるこの質問。これ、かなりリスキーな質問なんです。
もし要求通りその言語を話そうものなら会話で浮いてしまうこと100%、だからといって拒否するとのりが悪いと空気を壊してしまいます。色々工夫を重ねた結果次のように答えると場の空気を壊さずに対応できました。
その言語の発音で相手の名前をつけてあげる
例えば英語なら、友達にかっこいい英語名をつけてあげることができるかもしれません。
英語だったら、お友達の名前が智之ならトミーとか、律子だったらリリーとか(今適当につけましたが……)
私が中国にいた頃は、例えば相手の名前が「佐藤」なら「中国語だったら、zuǒténg ズオタンっていうんだよ!」なんて教えてあげると何かと盛り上がります。
そのあと英語以外の言語なら「私の名前は〜です」のその言語の言い方を教えてあげればベスト!
今度中国人にあったら「ゥオーシーズオタン」っていったらいいよ
こんなふうに友達に教えてあげましょう。
「これからどうするの?」の対処
もちろん相手は挨拶のつもりで聞いているのだと思いますが、海外生活者をドキッとさせてしまう質問、それが「これからどうするの?」です。こう聞かれると、今まで強気だったのが急に不安を感じてしまいますよね。
「今のプロジェクトをもっと続けていこうと」
「言語の勉強をもっと続けたい」
といっても「でもこれから大丈夫?」といわれていますとなんだかまた不安になってしまいますね。
相手への感謝を含める
そんなときこそ先ほど考えた感謝と褒め言葉です。
「〜さん、むかし〜と言ってくれましたね。これからもこれからもこれを当てはめて〜していきたいです」
「〜さんみたいに〜な生き方を海外でもしていきたいです」
人間感謝の気持があれば最後はハッピーに物事が終わるはずです。変な不安や場の嫌な空気を残さないために随所に感謝を散りばめながら話すようにいたしましょう。
笑顔と聞く姿勢を忘れない
一般に海外は自己主張を大切にします。それに対し日本は奥ゆかしさと共感を大切にする国。それに日本に帰ったなら、まずは深呼吸して、頭のネジを締め直し日本脳に戻すよう努力しましょう。友達にあったならば、主張ではなく謙虚に耳を傾ける姿勢を貫きましょう。そして笑顔を忘れずに。「あなたに会えてとっても嬉しかった」と伝えましょう。あなたに謙虚さと感謝があるなら、2つの世界の違いを乗り越えて、あなたの友達は変わらずにあなたを好きでいてくれることでしょう。