日本にいながら、ベトナムで会社設立その他の手続きを行いたいときに、身分証としてパスポートのコピーを使いたい! そのようなときに必要なのがパスポートのコピーの確証です。この記事ではその方法を大阪を例に取ってご説明したいと思います。
パスポート。海外で外国人として暮らすときには、身分証明書としての役割を果たす最重要書類の一つですね。数々の公的申請、費用の契約などでなくてはならない身分証明書です。
では、少しこのような例を考えてみてください。あなたは日本にいます。ベトナムで仲間と一緒にビジネスを行うこととなりました。他のあなたの仲間達はベトナムに住んでいるので、公的手続きを踏むとき、パスポートを持参すれば本人確認ができます。しかしあなたは今日本にいます。新型コロナウイルスの影響でベトナムにそう簡単に今は渡航できない。それにベトナムにパスポートを郵送するなんてことはできません。ではどうするか?
そこで、パスポートをコピーしてベトナムに郵送しようということになります。でも、パスポートのコピーもあくまでただの画像であり、身分証としても法的効力はありません。パスポートのコピーが本当に原本を忠実に反映しているかどうかを、確証してもらわねばなりません。もっと詳しくいうと……
日本の外務省とベトナム大使館(領事館) で認証して貰う必要があるのです。
ということで今回考えたいのは、パスポートのコピーを公的に確証して貰う方法をご紹介しましょう。
持ち物
- パスポートの全ページのカラーコピー(表紙も A4サイズで)
- 英文で作成した宣誓書
- パスポートの原本
- 身分証明書(運転免許証など)
- 印鑑(三文判でよい)
- 費用 18,000円
内訳:
公証人の公証、外務省の公印確認: 11,500円(確証: 5500 + 外国文追加費用 6000円)
ベトナム領事館認証費用 6500円
※ 今回私は、身分証明書と印鑑は使う機会がありませんでした。しかし、情報を調べたときにこの2つも公証役場で必要になることがあるということですので、持っていくようにしましょう

パスポートコピーの確証の手続き
それでは実際にパスポートのコピーを確証させる方法をご紹介しましょう。
1. パスポートのコピー
パスポートの全ページのカラーコピーをA4サイズで行います。
2. 宣誓書(Declaration)
宣誓書(Declaration)を英語で作成します。A4で作成しましょう。
ワード: https://www.maru-notary.com/wp/wp-content/uploads/sample-b-1.doc
PDF: https://www.maru-notary.com/wp/wp-content/uploads/sample-b-2.pdf
https://www.maru-notary.com/form/ より引用
こちらのサイトからサンプルをダウンロードしましょう。
https://www.maru-notary.com/wp/wp-content/uploads/sample-b-1.doc より引用
赤字と赤い記号は当サイト
上のように記入し、プリントアウトしておきましょう。
3. 公証役場へ
上の1,2をもって公証役場に行きます。公証役場とは、国の機関で、公的な証書を作成してくれる場所です。公証役場の開庁日は、月曜日から金曜日までの平日だけになり、開庁時間は(多くは)9時から17時までとなっています。
東京・神奈川・大阪はワンストップで公証人の公書と外務省の公印確認を発行してもらうことができます。
東京の公証役場一覧: http://www.koshonin.gr.jp/list/tokyo#prefectures
大阪の公証役場一覧: http://www.koshonin.gr.jp/list/ohsaka#prefectures
私は兵庫県民。ということで今回は大阪のベトナム領事館に最寄りの公証役場である……
「堺合同」の公証役場に行ってきました。
公証役場についたら受付で
「パスポートコピーの外務省の公印確認をお願いします」
といいます。このフレーズを見ながら言ってください。
少し待っていると、公証人の部屋に呼ばれます。公証人の前でパスポートの原本を出します。公証人が原本とコピーが本当に同じものか確認します。確認後、公証人の前で、宣誓書(Declaration)に日付と署名を書き込みます。
その後また待ったあと、宣誓書、パスポートのコピー、公証人の公証書、外務省の公印確認書の四種類の書類をホッチキスで一式にまとめられたものが渡されます。11,500円(確証: 5500 + 外国文追加費用 6000円) を支払えば完了です。
ホッチキスは絶対に外してはいけません。外した時点で効力はなくなりますのでご注意を!
4. ベトナム大使館(領事館)へ
3 でつくった書類を持ってベトナム大使館(領事館) へ行きます。
大阪には領事館があり、今回こちらの在ベトナム領事館へ行ってきました。ちなみに、上で紹介した公証役場から歩いてでもいけますので便利です。
この矢印のところで手続きを行えます。受付のところに番号札がありますので、受付番号をとって、ひたすら待ちましょう。
番号が呼ばれたら受付で、パスポートのコピーの確証を行いたい旨を伝えて「3.」で作った書類を渡しましょう。ちなみに、領事確証申請書というものを受付でもらって書く必要があるようですが、私の今回の場合は窓口の方が書いてくれました。
そして、だいたい手続きが完成する予定時間を教えてもらいます。あとは時間になったらもう一度領事館に戻って受け取ります。
因みに私は、出来上がるまでの待ち時間でこちらの食堂でランチをすることができました。
こちらの柚子胡椒の唐揚げがなんとも美味しかったです。WIFIも完備されていたので、調べ物もできとても良い時間つぶしができました!!
4. 確証済みパスポートコピーを受け取る
次官になってコピーを受け取りに行きます。受付の右側が受け取り窓口ですので、受け取りに来た旨を伝えると、準備ができ次第名前を読んでくれます。名前が呼ばれたら、パスポート原本を渡し、本人確認が済んだら、手数料の6500円を支払います。これで、確証済みパスポートコピーを受け取ることができます。
因みに、ベトナム領事館では、日本語はほとんど使えませんでした。英語かベトナム語ができる必要があります。もしどちらも話せないのであれば、誰か通訳を連れて行くことをおすすめいたします。
これで、パスポートのコピーは、外務省とベトナム大使館(領事館)の確証を得ることができました。これであとはベトナムに送るだけです。
郵便局のEMSで送れば、箱代51円 +送料1400円=1451円でベトナムに送ることができました。
今回の運賃を除いた費用は
18,000+1,451=19,451円
となりました。
日本にいながら、ベトナムで会社設立その他の手続きを行いたいときに、身分証としてパスポートのコピーを使いたい! そのようなときに必要なのがパスポートのコピーの確証です。実際にやってみると、それほど難しくはなく自分でも十分行うことができました。