私の気持ち、なんで分かってくれないの! 空気が読めない、優しくない、このように誰かから言われたことがありませんか? 人の気持ちが分かる人は家族にとって、組織にとって、そして誰かにとってとっても大切な存在になります。この記事では、どうすれば人の気持ちに思いやりを示せるようになるかを考えましょう。

空気が読めない、分かってくれない、マイペース……悪気はないのにこのように周りから評価されることってありませんか。私も時々あります。
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HSPってなに? 気が付きすぎて辛い? 特徴、対処、接し方について調べてみた
最近、「HSP」という言葉を見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。このHSPという言葉を理解すると、あなたの会社での人間関係や友達関係で本当に有利に働くかも知れません。反対にHSPの知識がないと、知らない間に誰かを傷つけてしまうかもしれませんよ。今日はそんなHSPという言葉について考えてみたいと思います。
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世の中には、人の気持ちを読みすぎて疲れてしまうという性質の方がおられるようです。しかしその反対に、人の気持ちを理解できなくて、無駄な摩擦や人間関係の不和を起こしてしまい、結果心が疲れて鬱状態になってしまうということもあります。
今回はそんな、人の気持ちを理解できるようになりたいと言う願いをどうすれば叶えられるのかに迫ってみましょう。
人の気持ちが分かるメリット
しかしそもそも、人の気持ちって分かる必要があるのでしょうか?

そうですよね、一見するとこのような高圧的な態度のほうが成功するように見えませんか? でも、人の気持ちが分かるというのは絶対にあなたにとってアドバンテージになります。
相手を助け、力づけ、良い行動に移すことができる
人の気持ちを汲み取る最も大切な理由はこれです。相手目線で、相手が益を受けるようにさせることができるというのが思いやりの最大の目的です。
少し例えで考えてみてください。あなたは大切にしている子猫がいます。しかし出張で家を開けねばなりません。子猫の世話のためにどんな人を選びますか。ものずかいの荒い、猫なんてとりあえず餌をやっておけばいいとしか考えていないぞんざいな人でしょうか? 子猫の弱さや必要をよく理解している、優しい人ですか。もちろん後者ですね。
人の心も子猫と一緒です。人は、自分の心に理解を示してくれる人に、自分の心を預けたいと思うのです。人は自分の気持をわかってくれる人がいるということを知ると安心します。そして、自分の気持ちをわかってくれている人は、自分を正しく扱ってくれるだろうと信頼します。それ故にその人の言うことを実行するようになるのです。
このように、気持ちをわかることができる人は、相手から心を預けてもらえるようになります。これ故に以下の様な副産物を得ることができます。
人に好かれる
自分の気持ちを理解して正しく接してくれる人は好感を得ます。結果友達やパートナーに恵まれます。
人間関係を良好にできる
人に好かれる人は、良い人間関係を謳歌できます。相手はあなたが自分のことを理解してくれていると信頼するので衝突は起きづらくなります。
いじめを回避できる
人は自分にとって競争相手になる存在、もしくはグループにとって害となる存在を排除しようとする性質があります。それが過剰に働いて、自分の理解できない行動を取るものを排斥しようとする、それが「いじめ」です。人の気持ちがわからない人は、相手が安心する振る舞いをすることができません。その結果、相手はその人を敵だと認知してしまい、結果いじめが起きてしまうのです。
人を許せるようになる
相手の気持がわからないと、相手の行動を誤解してしまうことがあります。なんであんなことをするんだろうと思ってしまうのです。しかし、人の気持ちがわかるなら、相手がそのようにした理由がわかり、人を許せるようになります。
人を動かす事ができる
そして先程も言いましたが、気持ちが分かる人は他人からの信頼を勝ち得ます。その結果、相手を動かすことができるようになります。
ここではいくつかの副産物を取り上げましたが、相手の気持を汲み取る本当の目的は「相手の益のため」です。この事を忘れて、副産物だけを得ようとすると、相手はそのことに勘付き、この人は自分を詮索しようとしていると感じることでしょう。それで、「相手の益のため」このことをいつも念頭に置いて、続くお話を読みすすめてください。

相手の気持がわかるとは?

鋭い質問ですね!! 相手の考えていることすべてを透視するかのごとく心を読むということですか。そうではないはずです。そこまで読むことは不可能ですし、仮にできたとしても相手は詮索されているようで嬉しくありません。反対に見られたくないところを見られたと、相手に不快な気分にさせてしまうでしょう。
では、相手の気持が分かるとは、何を分かればいいということですか? 結論から言うとそれは、
相手の痛みとコンプレックス です。
人は、自分の辛さや痛みをわかってもらえたときとても安心します。この人は、自分が痛く感じていることが分かっているから優しく扱ってくれるだろうということが分かるからです。
また、自分の必要、コンプレックスを改善するためならどんな努力をもいといません。例えば、自分は学歴不足だと感じる人は資格を取りまくります。幸せな家族を持ちたいという人のために、温かい家庭が広告で映し出されます。
「あ、この人私のことをわかってくれた」と思える人というのは、相手の痛みとコンプレックスをよく把握している人です。そしてその情報を上手に運用する知恵を持っています。
ということで、「人の気持ちがわかる」には3段階があります。
- 相手がどんな状況なのか知る
- 状況にどのような痛みやコンプレックスを感じているか考える
- 相手の痛みを取り除く方法、コンプレックスを満たす方法を考えて実行する
1. 相手がどんな状況なのか知る
まずは相手がどんな立場や状況にいるのかを把握しましょう。そのために試したい2つの事柄があります。
話を聞く
相手の気持を知るには、まず相手を知る必要があります。そのためにもまず、相手の話を聞きましょう。相手の話を聞く というととても簡単そうに思えますが、実は技術が必要です。
「最近どうですか?」
「まあ、元気です。」
「そうですか……」
会話終了! ってなってしまっていませんか?
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あとそれと……
「あー、わかるわかる、僕もね……」
と、話をかぶせてはいけません!!
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このとき役立つのが、前回お伝えしたアクティブ・リスニングという傾聴法です。上の記事に従って、話を聞いてみましょう。
観察する
人はコミュニケーションに言葉だけを使うのではありません。相手の背景、表情、持ち物、語調を観察しましょう。
相手の背景という点では、相手は何歳でしょうか? 20代ですか、50代ですか?
相手の家族背景はどうでしょうか? お兄さんですか、妹ですか?
相手は何を身に着けていますか? ブランド物でしょうか? なにか宗教色のあるものでしょうか?
このように相手に関するできるだけ多くの点を観察しましょう。ただ注意を一言、あまりジロジロ見ると相手が怪しむので、そこは気をつけてください。
2. 状況にどのような痛みやコンプレックスを感じているか考える
上の段階で、相手がどのような状況にあるかを知りました。しかし、そのような状況をどう受け取るかは人によって異なります。太っている人からすれば太っていることはつらいことかもしれませんが、痩せている人からすれば自分はもう少し太りたいと思っているかもしれません。
それで、相手がその状況をどう感じているか、どんな痛みを感じ、どんなコンプレックスを感じているかを知る必要があります。
例えば、年齢という観点で考えたとき、
人間関係の悩みなら
10代 恋に恋する
20代 恋人がほしい
30代 結婚し子供を作りたい
40代 子供の進路が気になる
50代 子供なしの夫婦関係を再構築したい
60代 定年後の暮らしが心配
お金の悩みなら
10代 小遣い アルバイト
20代 自己投資、貯金
30代 マイホーム
40代 教育費
50代 老後
60代 年金

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家族背景によっても変わってきます。上の記事で取り上げましたね。
身につけているものでも相手の気持を考えることができます。ブランド物に身を包む人は、もしかしたら、自分がお金があることを誇示したいと考えているのかもしれません。お守りなど宗教的な品物があるなら、どんな信条で生活しているかを知ることもできます。
もし自分ならと考える
自分がその状況に置かれたらどう感じるだろうか。どのような反応をするだろうか。何を必要とするだろうか
相手の痛みやコンプレックスを考える上でこのように考えるのは助けになります。ぜひ解決策ではなく、相手の気持にスポットを当てた思考を行うようにしましょう。
しかしここで壁があります。自分が経験したことがあることなら相手の気持を慮ることはまだできるかもしれませんが、自分が経験したことがないことを相手が経験している場合はどうでしょうか? このような場合どうすればいいですか?
本を読む
本を読むなら、自分が経験したことがないような人の気持ちを知る手がかりを得ることができます。

ここでポイントは、自分が興味がある分野のビジネス本のような本だけではなく、人の感情や気持ちが描かれた随筆とか小説も読んでみることです。また、もし相手が病気や問題に直面しているなら、それについて事前に調査しておくことも助けになるでしょう。
3. 相手の痛みを取り除く方法、コンプレックスを満たす方法を考えて実行する
そして最後に、相手の痛みやコンプレックスに配慮を利かした、相手の益となる話し方や行動を取ります。
解決策は最後 感情にスポットを当てる
例えば「仕事辞めたい」とぼやかれたとします。ここで何いってんだよ、仕事辞めてこれからどうするの、叱咤激励や解決策を最初に持ってくると、ここで話は終わってしまいます。
「そっか、仕事辞めたいんですね」
このように相手の話をオウム返しで返せてみましょう。するとより多くのことを話してくれます。
このように、まずは相手の話をよく聞き、相手がどのように感じているかを知るようにしましょう。相手はあなたに気持ちをわかってもらえたと思うだけで、幾分癒やされた気持ちとなるでしょう。
痛み と コンプレックス を切り分ける
例えば、「仕事辞めたい」という相談をされた例ですが、話を聞いていくとどうやら毎日毎日働いてくたくたになっているということ、そして、同期が先に出世して自分が取り残されているように感じているということがだんだん分かってきます。では、痛みとコンプレックスはなんですか?
痛み: 仕事の疲れ、仕事の努力
コンプレックス: 自分は出世できない
ではこの2つを切り分けましょう。
痛みは気づいてあげる、コンプレックスは気づかないふりをする
ここで注意したいことは、人は、痛みはわかってほしいけど、コンプレックスには気づかれたくないということです。
一人で寂しいことは気づいてほしいけど、結婚できていないことは触れてほしくない。
仕事を一生懸命しているところは気づいてほしいけど、結果が出てないことは触れてほしくない
それで、痛みには共感を、コンプレックスには気づかないふりをしましょう。
先程の仕事で悩んでいる人なら
「本当に~さんは仕事を頑張ってきましたね。会社のために一生懸命頑張ってきたんですね。」
このように痛みに気づいてますよということを示します。しかしここで絶対に「同僚の~さんは……」とコンプレックスを刺激するようなことを行ってはなりません。
痛みに自分の話を被せない
「そうですか、それはつらいですね、私もこんなつらいことが……」
痛みに感情移入するとき自分の苦労話をしてしまうことがあります。しかしこれには注意が必要。相手の痛みなんか大したことがないというメッセージを伝えてしまうかもしれません。私はもっと努力している、あなたの努力なんて可知がないと言っていることになってしまうかもしれません。
それで、痛みに関しては「それは辛かったんですね、よく努力されましたね」と痛みを理解していますよという言葉だけをかけるようにしましょう。
コンプレックスには自分の不幸話と解決策を提示する
冒頭でも述べたとおり、コンプレックスは人を動かす原動力になります。気づかないふりをしつつもしっかり運用させねばなりません。
コンプレックスは痛みとは違い、自分の不幸話をすると良いでしょう。ここでポイントは、成功談ではなく失敗談です。そして必ず、後に好転したというストーリーを語りましょう。
「そうですか、~さん、会社のために一生懸命にされてきたんですね。私も昔ね、なんか一生懸命頑張ってるんですけど、上司が全然私のこと見てくれなくてですね、結局人たらしな後輩が気に入られちゃって、もうやってられっかって思っちゃったこと、今思い出しましたよ」
病気で辛いと言うような人に対しても、痛みではなくコンプレックスを土台に自分の話ができるかもしれません。病気の人は
痛み: 病気で身体的に痛い、闘病生活を続けている
コンプレックス: 家族やみんなに迷惑をかけている、自分はヤクタタズだ
こうになるかもしれません。このように切り分けると、自分が経験したことがないような病気であっても良い相談相手になれます。
「そっか、私は本当に恵まれていて、~さんのような経験をしたことがないので本当の痛みは私が考えるよりももっとすごいんでしょうね。でも、大変な中で、私とこうして話してくれてるわけじゃないですか。私、本当に力をいただけました。といいますのもね、最近仕事で失敗しちゃって、自分ってだめだなって思ってたんですけど、~さんと話して、僕ももっと積極的にならないとって思えました。今日は本当に貴重な時間でした。」
実際にできることをする
最後にもしも自分にできることがあれば行いましょう。体が弱っていて、あなたの車の送迎や家事の手伝いを必要としているかもしれません。外国人であれば、日本での手続きなどに不安を感じていることでしょう。相手の気持を知り、相手の必要としている助けを与える、これで相手の気持を思いやれたことになります。
思いやりある人になる

そうです! これらのことを自然にできる、もしくは人の気持に敏感だという人もいます。そんな人からすれば当たり前のように聞こえるかもしれません。
しかし、人の気持ちをしる上で難しさを感じている私達はぜひとも、
- 相手がどんな状況なのか知る
- 状況にどのような痛みやコンプレックスを感じているか考える
- 相手の痛みを取り除く方法、コンプレックスを満たす方法を考えて実行する
このように方法をマニュアル化して相手の痛みとコンプレックスを把握するようにいたしましょう。相手の気持がわかれば相手に大きな益が及びます。相手が喜べばあなたも嬉しい! そうしてみんなが暖かく暮らせる時が来ますように!!