尊敬する先生と対談できる! スキルアップにセミナーに参加する! 仕事の会議の生産性を上げたい! こんな状況下で質問はあなたの人生を左右するかもしれません! 今日はそんな質問する力を高めるために、あなたを成功に導く良い質問とはどんな質問なのかを考えてみましょう。

そう、質問をなめてはいけません! 良い質問ができるかどうかが死活問題です。目上の人と話、大事な会議や対談で良い質問が出てこなくってなんか盛り上がらなかった、チャンスをみすみす棒に振った。インタビューしたら質問がくだらなくって、みなが興ざめしてしまった。見ているとそんなことってありますよね。外からだとわかるけどいざ自分がすると思い浮かばない、そんな事ありませんか。
よく言われます、コミュニケーションは聞き上手が大事だと。しかし、黙ってウンウンうなずいているだけで相手が話すとも限りませんよね。
質問力は聞く力の上ににあるものです。まずは聞きますよという雰囲気、キャッチャーです。しかし、キャッチャーは受けるだけが仕事ではありません。次も投げたいと思わせるようにボールを返さねばなりません。それが、「質問力」です。もう投げたくないと思わせるか、もっと話してあげたいと思わせるか、それはひとえにこの、リターン「質問力」にかかっているのです。

質問力にはレベルがある
考えてみてください。質問タイムで盛り上がる質問と盛り下がる質問ってありますよね。質問にもレベルがあるんです。そしてそのレベルははっきりと明快に説明できるものなんです。

抽象的すぎる質問
例えば、久しぶりにあなたが友だちに会って、友達がこう言います
- 「最近どうですか? 」
こう聞かれたらどうですか。

そうですね、まあ時候の挨拶だったらいいんですけど、それがもし重要な場面、例えば尊敬している先生に出会ったとかいう場面で、何でも質問していいときに、
- 「何か今まででいい経験がありましたか? 」
こんな抽象的な質問をしたら、謙虚な先生なら「まあ、そんなに語れるようなことはありませんけど。でも日々の努力を続けるということが……」的なそれこそぼかされた答えで終わってしまうでしょう。抽象的すぎる質問で、答えにくいがゆえに、私達が欲しい答えを引き出すことはできません。
個人的すぎる質問
- 「私、かいわれ大根をつくって10年になるんです。かいわれ大根って奥が深いんですよ。でも、かいわれ大根って僕たちの、そういう愛情を受け止めてくれるんですよね。ところで、かいわれ大根、お好きですか?」

そう、このように、聞いている人々のことを考えずに自分だけが興味のあることを話した挙げ句、個人的な質問をする、これも相手を疲れさせてしまいます。
質問はしたものの自分の意見を言いたがる
「中国語の発音についてどう思います?」
「まあ、最初は大事だけど、ある程度でいいんじゃないかな」
「でもね、やっぱり発音って大事だと思うんですよ! それは……」
結局その質問を振っているのを土台として自分の意見を言いたいだけじゃんってなっちゃう質問。これも盛り上がりません。


質問力は成長に不可欠
人が成長するのは、もちろん自分より優れている人と話すとき、です。そのときに大きな学びがあります。自分より知識がある、自分より経験がある人からそれを引き出せるかどうかは良い質問ができるかどうかなんです。
なぜなら、話者はいつも相手のレベルに合わせるからなんです。
例えば、小学生の子供が「お空はなんで青いの」なんて聞かれたときに「太陽光の中には違った波長の光があって、それ中の波長の短いひかりは大気によって拡散されてゆき……」なんて説明しませんよね。「~くん青色好き? お空も青色が好きなんだよ」くらいに説明するんじゃないですか。科学も光の性質も知らない子供に、大人でも知らない情報を語りだすわけがありません。
このように、相手からあなたが、速い球は受けられないと見られると緩やかな、山なりのたましか投げてもらえない。でも、このキャッチャーはすごいと思われれば豪速球を投げてくれるわけです。優れている人から本当に面白い話、意義あることを聞きたいなら、わたしはあなたの考えを受け止める力量がありますよということを示さないといけないということです。

そう、だから質問力が必要です。質問力は才能やセンスではなく、メカニズムだけわかれば自分の中でいいか悪いかを見分けられるようになります。ですのでぜひ、質問力を伸ばしましょう。
いいことをするには、まず、いいものとは何かを知らなければなりません。野球のフォームでもまずは良いフォームとは何かを学び、その後反復練習でなじませてゆきます。良い質問をするためにも、まず良い質問とは何かを知る必要があります。
良い質問には、3つのグラフを考えることが大事なんです。
1. 具体的で本質的
D 粗末で抽象的
例えば今、中国語学習についての質問会をしているとしましょう。
- ピーマンってなんですか?
なんで今その質問をする? しかも抽象的すぎて何を答えたらいいかわからない。こんな質問はさすがにNG。
C 本質的だけど抽象的
- 言語ってなんですか?
- 人生ってなんですか?
すごく意味がありますね。言語や人生について考えるのは大切です。でも、ざっくりしすぎてて答える側は困るんです。
B 具体的だけど粗末
- かいわれ大根はお好きですか?
具体的ですね、でも、今話しているの、外国語についてなんですけど……
- コーヒー派ですか、紅茶派ですか?
具体的ですけど、それ聞いてどうするのってなっちゃいますね。
このように、具体的であっても、その場のテーマにそぐわない、本質的でない質問はNGです。
このBとCのような質問が大半を締めてしまうんですよね。
A 具体的で本質的
- 正しい中国語の発音を私が出せているかどうか評価できるのはネイティブの先生ですが、発音の仕方を説明できるのは日本人の先生ですよね。学習初期の段階でどちらの先生に発音を教えてもらったらいいと思いますか?
- Toshiさんは学生の頃は英語が苦手だったとおっしゃってましたよね。では、学生の頃の英語学習と、おとなになってからの語学の勉強にはどんな違いがあったと思いますか?
このような質問はどうですか? 言語についての話をしている際の質問なのであれば、とても本質をついた質問、しかも内容は具体的です。このような質問は、受ける側も答えやすくなります。

2. 自分の関心と相手の関心
自分が聞きたいこと そして 相手が話したいこと というものがあります。この療法が叶うとみんなにとってウィンウィンな質問になるということです。
もちろんDのような質問はしないと思います。でも……
C 自分は興味あるけど相手は話したくない
これ、子供ゾーンといいます。
- ねえ、トリケラトプスって何食べるか知ってる?
子供はこんな自己中心的な質問をしますね。しかし、おとなになってからもすることがあります。
- ~国の~の政策はどう思いますか。
- いまお付き合いしていますか。
あんたが聞きたいのはわかるけど、答えたら絶対気まずくなるじゃん、プライベートじゃんって質問ありますよね。このように相手の気持を考えないでする質問はNGです。
B 相手は話したいけど自分は興味がない
こちら、たまには必要です、必要ですけど、こちらは おべっかゾーンといいます。
「汽车の车の発音はね、まず舌を丸めて、巻き舌の音を出して、その後下を前に伸ばすようにすると上手にEの音が出てね……」
「い、いやー、面白いですね! もっと教えて下さい!!」
こんなおべっか、たまには必要なんですけど、ずっとやっててもみんなのためになりません。話しては話したいけど、聞き手はあんまり聞きたくないって話ありますね。
A 相手が喋りたそうな中から自分が聞きたいことを選ぶ
これを目指しましょう。
- ここにいる多くの人は、中国語中級者だと思うんですけど、中国語1,2年勉強してきた、でもしっくり話せない、そんな悩みがあるときにどんな学習が脱却の起爆剤になると思いますか。
こんな感じで、相手が喋りたそうな中から自分やきき側が聞きたいことを選ぶ、このことを目標にしてみましょう。

3. 過去の経験と現在の文脈
C. 経験ない 文脈にそう
- タイ語って難しいですか?
知らない、英語と中国語とベトナム語しか知らない……ってなっちゃいます。
このように、経験したことないことを聞かれても答えられません。
B. 過去の経験はあっても今聞くことでない
- Toshiさんって小学校の頃、なんの食べ物が好きでしたか?
たしかに自分の経験したことへの質問です。だけど今は中国語についての話です。全く今の文脈に沿っていません。このような質問もNGです。
A. 過去の経験にそい、現代の文脈にもそう
- サイトを読んでいると、Toshiさんは中国語に10年ほどかかわっておられるようですね。言語の先輩方は失敗や苦労が多かったけど、伝わる喜びは特別なものだって言ってました。Toshiさんも長く語学をされていると嬉しい経験やつらい経験というものを感じてこられたと思います。そんな中で、涙を流したっていう経験とそれでも言語をやっててよかったと思えた経験をお分かちいただけますか。
このように、聞き手の経験で答えられ、しかも今の話の文脈にもそう、このような質問が答えやすい質問です。
良い質問
それではまとめてみましょう、良い質問とはどんな質問ですか?
ポイント
1. 具体的で本質的
2. 自分の関心であり相手の関心である
3. 過去の経験と現在の文脈にあう

そのとおり! 今回は質問の必要性と良い質問について考えてみました。人生を大きく変えることもある質問力、あなたも磨いてみてくださいね。