ベトナムに行くとお目にかかる、緑と黄色の制服を着た警察官。この2つ、どんな違いがあるのでしょうか? また、ベトナム旅行、ベトナム生活で警察沙汰にならないために最低限の知識も知っておきましょう。

ごめんで済んだら警察はいらない…… 私達の生活に警察は切っても着れない関係にありますね!
辞書を調べると、công an と cánh sát はどちらも「警察」とでてきます。またベトナム人は、どちらも同じように使います。この2つの言葉、漢越語、つまり漢字で書くとこうなります。
- công an (公安)
- cánh sát (警察)
このように、公安 と 警察 という言葉が当てはまります。発音が「コンアン↔こうあん」「カィンサッ ↔ けいさつ」とちょっとにているので覚えやすいですね。
ベトナムの法律上から厳密に言うと、công an のなかに cánh sát がある形になるようで、その区分も複雑なものがあります。しかし、一般の会話で、công an と cánh sát という言葉は次のように使われます。
công an
会話で công an は日本語で言う「警察」と同じように頻繁に使われる言葉ですが、特に絵のように緑色の制服を着た警察官のことを指します。
よく役所や重要文化財などの要所の入り口には緑色の制服を着た công an の姿を目にすることでしょう。
この緑の制服を着た công an の仕事は、特に国家に関する事件、例えばテロや反政府分子、非認可の宗教などの取り締まりを行います。
また、殺人や泥棒や麻薬などの刑事事件から人々を守っています。
つまり一般会話では、犯罪から国や人々を守るのが「công an」と呼ばれています。

cánh sát giao thông 交通警察
一般会話で cánh sát といえば、ほぼ cánh sát giao thông 交通警察 を指して用いられます。cánh sát giao thông は絵のように黄色(クリーム色)の制服を着ているのが特徴です。
cánh sát giao thông の頭文字をとった「CSGT」と書かれたヘルメットを被りながら、交通整理をしている姿をよく目にすることでしょう。
黄色い制服の cánh sát giao thông 交通警察はその名の通り道路交通の安全を維持する役割を担っています。交通事故の操作や速度オーバーなどの違反取締などを行います。
ベトナム生活と警察
海外生活で言葉がよくわからないと、知らないうちに犯罪に巻き込まれてしまったり、警察のお世話になってしまったりにアンてことが怒りえます。それで、そのようなことがないように最低限の警察事情を知っておきましょう。
警察や政府建造物の写真は取らない
まずは緑の警察「công an」とのお付き合い編です!
ベトナムでは警察の写真を撮ってはいけません。この記事で絵を載せているのはそのためです。また、警察が見張っているような政府関係の建物の撮影も禁止されているか、撮影場所が厳格に制限されています。例えば、観光地にもなっているホーチミン人民市庁舎なんかも、撮影場所によっては警察から注意が入ります。政府が関係する建物の撮影は控えましょう。また、カメラを撮っていて、警察が近づいてきたら、従順に指示に従うようにしましょう。
麻薬、ポルノ等禁止されているものを絶対に持たない
ベトナムでは麻薬や覚醒剤の所持は最悪死刑にもなる大罪です。麻薬を持たないなんて当たり前に聞こえますが、海外では詐欺師によって何も知識のない人が麻薬の運輸に関わることになってしまったという事件が起きています。見知らぬ人だけでなく、海外で仕事をしているような人から、何か秘密のものを運んでほしいと言われたときには完全拒否いたしましょう。
またこちらも常識で考えたら分かる話ではありますが、ポルノも禁止されています。ベトナムのポルノなどの猥褻の基準は,日本の基準より非常に厳しく,また,持ち込んだ時点で違反となるので,その場で週刊誌等を放棄すると申し出ても,罰金を免れることができません。猥褻物(本,DVD等)は,買わない,持ち込まない、このことを徹底させてください。また猥褻の基準は担当官によってその判断が異なることから、週刊誌や雑誌など一部掲載された露出の高い写真なども問題視される可能性がありますので持ち込みを避けるようにしましょう。
警察には敬意と平和な関係を心がける
続きまして、黄色の警察「cánh sát giao thông」との警察事情編です。
ベトナムでバイクを走らせていると、警察に止められるというようなことが多々あります。とくに旧正月前は町のアチラコチラで「ネズミ捕り」が行われます。
ときには止められたことに不服なこともあるでしょう。しかし警察には向かったところでなんの解決もなく、むしろ事態は最悪の結果を迎えるかも。警察に対しては、どんなときにも敬意と温和な態度を心がけましょう。
最低限の交通規則を知っておく
ベトナムでバイクを運転するのなら、最低限の交通規則をわきまえておきましょう。さもないと警察に止められてしまいますよ。
ベトナムのバイクの運転で警察の罰金沙汰になる最もポピュラーな交通違反がこれ! 道に写真のような途切れのない白い線があるとき、バイクは線の内側を通らなければなりません。クリーム色の交通警察の前でこの先からはみ出ると、その瞬間止められますのでご注意を!!
あとはこちら! バイク進入禁止の標識です。この標識がある左側の道はバイクの走行ができません。こちらも見落としがちなので覚えておきましょう。

そうなんです。毎日安全と治安の維持に携わってくれている警察官は敬意に値するお仕事をしています。トラブルなくベトナムでの生活を楽しむためにも敬意と平和と知識によって付き合っていけるといいですね。